ミニバス移籍のペナルティとは?ルールと回避方法を解説

「ミニバスのチームを移籍すると、何かペナルティがあるのだろうか?」とお悩みではありませんか。実際、ミニバス移籍のペナルティについて心配する声は多く、移籍を考える前に知るべきことは少なくありません。移籍で悩む前に親子で確認すべきことや、移籍後の気まずい状況を避ける方法、そして移籍の失敗で後悔しないための注意点など、不安は尽きないでしょう。
さらに、移籍すると試合に出れない期間はあるのか、移籍に最適なタイミングと注意点は何か、といった具体的な疑問も湧いてきます。この記事では、そうした悩みを解決するため、ミニバス移籍ペナルティを避けるルールと手続きを徹底的に解説します。移籍申請書の理由記入例と手順から、ミニバスの移籍はいつまでできますか?、JBAの移籍回数に制限はありますか?といったよくある質問にも回答。
また、バスケで期限付き移籍はなぜあるのか?といった関連知識や、2025年の3ポイントなどミニバスルール改正の情報も交えながら、総括としてミニバス移籍ペナルティの正しい知識をお届けします。
- ミニバス移籍におけるペナルティの真実
- 移籍手続きの具体的な流れと申請書の書き方
- 移籍後のトラブルを避けるための円滑な進め方
- JBAが定める公式ルールと注意点
ミニバス移籍のペナルティ?悩む前に知るべきこと

- 移籍で悩む前に親子で確認すべきこと
- 移籍後の気まずい状況を避ける方法
- 移籍の失敗で後悔しないための注意点
- 移籍すると試合に出れない期間はある?
- 移籍に最適なタイミングと注意点
移籍で悩む前に親子で確認すべきこと
ミニバスの移籍を検討し始めたら、まず親子でじっくりと話し合う時間を持つことが何よりも重要です。この対話は、移籍という選択が本当に最善であるかを見極めるための基礎となります。子どもがなぜ移籍したいのか、その根本的な理由を丁寧に、そして共感的にヒアリングしましょう。
単に「もっと強いチームで勝ちたいから」という向上心だけでなく、「今のチームではバスケ自体が楽しめない」「指導者の教え方が自分には合わない」「チーム内での友人関係に深く悩んでいる」など、子どもの心の中には様々な背景が隠されている可能性があります。
親としては、その理由が一時的な感情の起伏によるものでないか、冷静に、そして客観的に見極める必要があります。例えば、試合に負けた直後や、友人との些細な喧嘩の後に「移籍したい」と言い出すこともあります。そうした場合は、まず子どもの気持ちを受け止めた上で、時間を置いてから改めて話し合うことが賢明です。
現在のチームで問題を解決できる可能性はないか、指導者や他の保護者に匿名で相談してみるのも一つの有効な手段です。練習への参加意欲の低下が見られる場合、その原因がチームにあるのか、あるいは学校生活や他の要因にあるのかを探る努力は、移籍という大きな決断を下す前に必ず試みるべきです。
親子での確認リスト【深掘り編】
移籍を具体的に考える際に、以下の点について一歩踏み込んで話し合ってみましょう。
- 移籍したい一番の理由は何か?(その理由は、時間を置いても変わらないか?)
- 現在のチームで解決できる問題ではないか?(指導者やキャプテンに相談するなど、具体的な行動は起こしたか?)
- 移籍によって、その問題は本当に解決するのか?(移籍先で同じ問題が起こる可能性はないか?)
- 移籍先のチームの情報は十分に集めたか?(チームの方針、練習の雰囲気、費用、保護者の負担など、良い面も悪い面も把握しているか?)
- バスケットボールを続けることへの子どもの意思は固いか?(移籍のストレスで、バスケ自体が嫌いになるリスクも伝える)
これらの対話を通じて、親子共に全ての可能性を考慮し、納得のいく結論を出すことが、後悔のない選択に繋がります。移籍は子どものバスケットボール人生における大きな分岐点です。だからこそ、感情的にならず、情報を集め、慎重にプロセスを進めることが求められます。
移籍後の気まずい状況を避ける方法

移籍、特に同じ地域や近隣のチームへの移籍で最も懸念されるのが、元のチームの選手、保護者、指導者との人間関係が悪化し、気まずい状況が生まれることです。これを避けるためには、手続きの進め方における誠実さと、終始一貫した丁寧なコミュニケーションが絶対的な鍵となります。
まず、移籍の意思を固めたら、元のチームの指導者や代表者へ正直に、かつ丁寧に理由を説明することが社会人としてのマナーです。その際、「家庭の事情で送迎が難しくなった」「子どもの成長環境を長期的に考え、新しい挑戦をさせたいと家族で決めた」など、相手への配慮を最大限に忘れずに伝えましょう。
最も避けるべきは、元のチームへの不満や批判を直接的、間接的に口にすることです。たとえそれが移籍の真の理由であったとしても、それを伝えることは誰の利益にもなりません。むしろ、「これまで大変お世話になりました。皆様のおかげで子どもはここまで成長できました」という感謝の気持ちを具体的に言葉にして伝えることで、相手の受け取り方は大きく変わるはずです。
円満な移籍のためには、最後まで感謝の姿勢を崩さないことが本当に重要です。移籍後も大会や練習試合で顔を合わせる機会は必ずあります。その時に子どもが対戦相手に敬意を払い、伸び伸びとプレーできるよう、まずは大人が良好な関係を築く努力をしましょう。
また、移籍手続きは日本バスケットボール協会(JBA)が定める公式ルールに則って、透明性を持って進めることが不可欠です。移籍先のチームにも事情をきちんと説明し、両チームの代表者間で円滑な引き継ぎが行われるよう、保護者として協力する姿勢を見せることが信頼に繋がります。
移籍後も、元のチームの選手や保護者と顔を合わせた際には、子どもだけでなく親からも気持ちよく挨拶を交わすなど、良好な関係を維持する小さな努力を続けることで、気まずい雰囲気は最小限に抑えられ、子どもは新しい環境に集中することができるでしょう。
移籍の失敗で後悔しないための注意点

「移籍したのに、問題が解決しなかった」「かえって状況が悪くなった」といった移籍の失敗で後悔しないためには、事前の徹底的な情報収集と、希望的観測に基づかない慎重な判断が欠かせません。移籍の失敗にはいくつかの共通した原因が存在します。
主な失敗の原因
1. 情報収集の不足:
これは最も多い失敗例です。移籍先のチームの指導方針、練習の強度と頻度、チーム全体の雰囲気、保護者の関わり方(当番の有無など)を十分に確認しないまま移籍してしまうケースです。「強いチームだから」「家から近いから」という断片的な理由だけで選ぶと、子どものレベルや性格、家庭のライフスタイルに合わず、再びバスケットボールが楽しめなくなる可能性があります。最低でも2〜3回は体験練習に参加し、練習の様子を見学するだけでなく、複数の保護者から話を聞くなど、多角的でリアルな情報収集が絶対に必要です。
2. 手続きの不備やルールの誤解:
JBAの定める正規の手続きを踏まずに、口約束などで移籍しようとすると、公式戦に出場できないといった深刻なトラブルにつながります。「U12移籍申請書」の提出や、TeamJBAシステムでの登録変更など、定められたプロセスを必ず遵守する必要があります。手続きに少しでも不安がある場合は、自己判断せず、必ず所属する都道府県のバスケットボール協会に問い合わせるのが最も確実で安全な方法です。
注意:安易な移籍は根本的な解決にならないことも
特に人間関係のトラブルが移籍理由の場合、移籍先でも同様の問題が起こる可能性はゼロではありません。移籍はあくまで環境を変えるための一つの手段です。自分と意見が合わない人とどう向き合うか、困難な状況をどう乗り越えるか、といった社会性を学ぶ貴重な機会を失う側面もあることを、親子で理解しておく必要があります。
移籍の決断が、子どもにとって本当に長期的なプラスになるのか、目先のメリットや問題からの逃避だけでなく、子どもの成長という広い視点で考えることが、後悔しないための最も重要な注意点と言えるでしょう。
移籍すると試合に出れない期間はある?

ミニバスの移籍に関して、「移籍が成立すると、ペナルティとしてしばらく公式戦に出られない期間がある」という話を耳にすることがありますが、これは現在のルールにおいては正確な情報ではありません。現在のJBA(日本バスケットボール協会)の公式ルールでは、移籍そのものを理由とした画一的な出場停止期間は一切設けられていません。
原則として、JBAの定める「U12移籍申請書」が都道府県協会に正式に受理・承認され、選手登録システム「TeamJBA」上での所属チーム変更が完了すれば、理論上はその翌日からでも公式試合への出場は可能です。移籍手続きが完了した日から、選手は移籍先チームの一員として、全ての公式活動に参加する権利を得ます。
承認までにかかる期間について
移籍申請書を提出してから、都道府県協会による承認の可否が通知されるまで、JBAは「原則14日以内」としています。つまり通常は約2週間程度かかると考えておくのが妥当です。大会日程が迫っている場合は、この期間を十分に考慮して、極めて余裕を持った申請が不可欠です。書類に不備があった場合は差し戻しとなり、さらに時間がかかるため、提出前には親子、そして移籍元・移籍先チームの担当者と共に念入りに確認しましょう。
ただし、実質的に「試合に出られない」状況が発生する可能性が二つあります。
一つは、大会ごとの参加資格規定です。各大会の開催要項には、「大会申込期間終了時点で登録されている選手のみ出場可能」といった独自の規定が設けられていることがほとんどです。移籍手続きの完了タイミングが、出場したい大会の申込期間を過ぎていた場合、ルール上、その大会には出場できないことになります。これはペナルティではなく、大会運営上のルールです。
もう一つは、チームへの戦術的な適応です。ルール上は出場可能であっても、チームの戦術や選手間の連携、サインプレーなどを全く理解していない段階でいきなり公式戦に出場するのは、選手本人にとってもチームにとっても大きなリスクを伴います。まずは練習にしっかりと参加し、指導者やチームメイトとの信頼関係を築き、チームの一員として機能できると判断されてから試合に出るのが自然な流れです。
指導者の立場からすると、新しい選手をすぐに試合で起用するかは非常に慎重に判断します。本人のためにも、まずはチームの約束事を覚えてもらい、自信を持ってプレーできる環境を整えることが最優先です。焦る必要は全くありません。
結論として、JBAのルールによる「出場停止ペナルティ」はありませんが、手続き期間、大会規定、そしてチームへの適応期間という3つの要素を正しく理解しておくことが重要です。
移籍に最適なタイミングと注意点

ミニバスの移籍を円滑に進め、成功させるためには、そのタイミングを見極めることが非常に重要になります。最適なタイミングは、選手の学年やチームの年間活動スケジュールによって異なりますが、いくつかの共通したポイントが存在します。
最も一般的で、かつ最も推奨されるのは、年度の切り替わりである3月から4月にかけての期間です。多くのチームが新年度の体制へと移行し、新入団員を募集するこの時期は、移籍選手も新しい環境にスムーズに馴染みやすく、受け入れるチーム側としても体制を整えやすいという双方のメリットがあります。子どもたちの学年が一つ上がり、新しいクラスになるのと同じように、チーム内でも自然な新陳代謝が起こるため、移籍に伴う心理的な障壁が最も低い時期と言えるでしょう。
一方で、全国大会や都道府県大会といった大きな公式戦の直前や、大会期間中の移籍は、特別な事情がない限り避けるべきです。チーム全体が大会に向けて集中力を高めている時期に移籍の話を持ち出すと、チームの士気や和を乱す要因となりかねません。また、前述の通り、大会のエントリー期間を過ぎてしまうと、移籍してもその重要な大会には出場できないという、子どもにとって最も残念な結果を招くリスクがあります。
【学年別】移籍の注意点
低学年〜中学年(1〜5年生):
比較的、移籍のタイミングを柔軟に選びやすい時期です。バスケットボールの基礎技術や体力を学ぶ段階なので、新しいチームの指導方針にもスムーズに適応しやすいでしょう。ただし、友人関係がリセットされることへのケアは必要です。
6年生:
最も慎重な判断が求められる学年です。小学校生活最後の年であり、多くの選手にとってミニバスキャリアの集大成となる大会が続きます。チームの主力となっている選手の年度途中の移籍は、残されたチームメイトに精神的な影響を大きく与える可能性があります。転居など、やむを得ない事情がない限り、年度を越えての移籍が望ましいです。また、この時期の移籍は、進学する中学校の部活動や地域のU15クラブチームの活動を見据え、卒業後のバスケットボール環境をどうするかという、より長期的な視点から判断することが重要になります。
どのタイミングで移籍するにせよ、少なくとも1ヶ月、できれば2ヶ月以上の余裕を持って準備を始めることを強く推奨します。移籍先のチーム探し、体験練習への複数回の参加、現在のチームへの意思表示、そして公式な申請手続きと、やるべきことは想像以上に多岐にわたります。計画的に、段階を踏んで進めることが、円滑な移籍を実現する最大の鍵です。
ミニバス移籍ペナルティを避けるルールと手続き

- 移籍申請書の理由記入例と手順
- ミニバスの移籍はいつまでできますか?
- JBAの移籍回数に制限はありますか?
- バスケの期限付き移籍はなぜあるのか?
- 2025年の3ポイントなどミニバスルール改正
- 総括:ミニバス移籍ペナルティの正しい知識
移籍申請書の理由記入例と手順

ミニバスの移籍は、当事者間の口約束などではなく、JBA(日本バスケットボール協会)が定める公式な手続きを踏むことで初めて成立します。その手続きの中心となるのが「U12移籍申請書」の作成と提出です。この書類を正しく作成し、定められた手順通りに進めることが、後々のトラブルや「ペナルティ」と誤解されるような事態を避けるための絶対条件です。
移籍申請の具体的な手順
移籍手続きは、現在JBAのオンライン選手登録システムである「TeamJBA」を通じて行われます。保護者、移籍元チーム、移籍先チームが連携して進める必要があり、その大まかな流れは以下の通りです。
- 移籍先チームの内諾を得る:まず、移籍を希望するチームの代表者や指導者に連絡を取り、チームの方針などを確認した上で、受け入れが可能かどうかの承諾(内諾)を得ます。この段階で体験練習に参加するのが一般的です。
- 「U12移籍申請書」の準備:JBA公式サイトから最新版の申請書(ExcelまたはPDF形式)をダウンロードし、必要事項を正確に記入します。
- 移籍元・移籍先チームの署名・捺印:保護者が責任者として記入した後、現在所属しているチームと、移籍を希望する先のチーム、両方の代表者から署名と捺印をもらいます。円満な移籍のため、事前にしっかりと話を通しておくことが重要です。
- 完成した申請書を移籍先チームへ提出:全ての記入・捺印が完了した申請書をスキャンするか、鮮明に写真撮影してデータ化(PDFや画像形式)し、移籍先チームの登録担当者へメールなどで提出します。
- 移籍先チームによるTeamJBAでの申請:移籍先チームの担当者が、TeamJBAシステム上で対象選手を「メンバー代理登録申請」する際に、受け取った申請書データを添付して正式に申請を行います。
- 都道府県協会による審査・承認:申請内容が、移籍元と移籍先が所属する都道府県協会によって審査されます。理由が正当であると判断されれば「承認」となり、移籍手続きが完了します。
移籍理由の効果的な記入例
移籍申請書で最も重要な項目が「移籍理由」です。JBAが公式に認めている移籍の条件は、主に「転居」と「人間関係等のトラブル」の2つに大別されます。スポーツ庁も「総合的なガイドライン」の中で、勝利至上主義に陥らないよう警鐘を鳴らしており、単に「より強いチームでプレーしたいから」といった強化目的の理由は原則として認められないため、注意が必要です。
移籍理由 | 具体的な記入例 | 記入のポイント |
---|---|---|
転居 | 「保護者の勤務先の都合による転居(〇〇市→△△市)に伴い、現チームへの通いが物理的に困難となったため。」 | 事実を客観的かつ簡潔に記述します。具体的な地名を加えることで信憑性が増します。 |
人間関係等のトラブル | 「指導者からの過度な叱責が続き、子どもが精神的な負担からバスケットボールを楽しむことが困難な状況になったため。」 「チーム内での仲間外れや暴言が常態化しており、子どもの安全な活動環境が確保できないと判断したため。」 | 個人の主観的な不満ではなく、活動継続が困難であるという客観的な状況を説明することが重要です。特定の個人への批判は避け、あくまで「子どもの健全な競技環境」を主眼に置いて記述します。 |
理由は正直に、かつ第三者が読んでも納得できるような誠実な言葉で記入することが大切です。虚偽の理由や、他者を非難するだけの内容は、承認されないばかりか、後々の深刻なトラブルの原因にもなりかねません。
ミニバスの移籍はいつまでできますか?

ミニバスの移籍申請手続きには、「〇月〇日までに移籍を完了させなければならない」といった、全国で統一された明確な年間締め切り日は設けられていません。原則として、年度内であれば随時申請が可能です。
ただし、事実上のタイムリミットとして全てのチーム関係者が意識しておくべき重要な期限が存在します。それは、JBAの選手登録システム「TeamJBA」における、その年度の選手追加登録の受付期間です。この受付期間は、次年度の準備のため、例年2月末日をもって締め切られます。移籍は選手の「所属チームを変更する登録手続き」であるため、この登録システムの受付が終了してしまうと、その年度内に所属チームを変更することは物理的に不可能となります。
年度末(2月以降)の申請に関する重要な注意
前述の通り、移籍の承認プロセスには通常約2週間を要します。そのため、2月の中旬以降に申請を行った場合、協会での審査中に2月末の登録期限を過ぎてしまい、承認手続きが完了しない可能性があります。
その場合、移籍の成立は翌年度扱い(4月1日付での移籍)となってしまいます。もし3月の大会など、年度内の活動への参加を目的として移籍を考えているのであれば、遅くとも1月中には全ての申請手続きを完了させておくのが最も安全です。
結論として、規程上の移籍期限はありませんが、年度内の移籍を希望するのであれば、JBAの選手登録が可能な「2月末まで」が、実質的なタイムリミットであると考えるのが現実的です。もちろん、これはあくまで手続き上の期限であり、円満な移籍を目指すのであれば、大会スケジュールやチームの活動計画を十分に考慮し、数ヶ月単位で余裕を持った計画を立てることが不可欠です。
JBAの移籍回数に制限はありますか?

結論から言うと、JBAの公式規程において、ミニバス(U12カテゴリー)に所属する選手が移籍できる回数に、上限などの制限は一切設けられていません。
つまり、規程上は、一度移籍した選手が、その後再び別のチームへ移籍することも認められています。これは、JBAが選手のプレー環境を最大限に保証するという理念に基づいているためです。例えば、転居によって一度移籍した選手が、再度家庭の事情で転居を余儀なくされた場合など、やむを得ない事情がある選手がバスケットボールを続ける機会を失わないようにするための、重要なセーフティネットとなっています。
ただし、回数制限がないからといって、子どもが気に入らないことがある度に安易に移籍を繰り返すことは、決して推奨されません。チームを頻繁に変えることは、子ども自身の成長、特に社会性の育成という観点から、慎重に考える必要があります。
移籍を繰り返すことの潜在的なデメリット
- 人間関係構築の困難さ:所属期間が短いと、チームメイトと深い信頼関係を築くのが難しくなる可能性があります。
- 適応へのストレス:新しい指導法、チーム戦術、友人関係にその都度適応していくことは、子どもにとって大きな精神的ストレスとなり得ます。
- 責任感の欠如:困難な状況に直面した際に、乗り越えるのではなく環境を変えるという選択が癖になってしまう可能性があります。
移籍が認められるのは、あくまで「転居」や「人間関係等のトラブル」といった特別な事情がある場合に限られます。移籍を繰り返す場合であっても、その都度、正当な理由を明記した「U12移籍申請書」を提出し、都道府県協会の客観的な承認を得る必要があります。正当な理由なくチームを転々とするような、いわゆる「移籍癖」と見なされるような行為は、承認される可能性が低いと考えるべきでしょう。
回数に制限はないものの、一度の移籍が子どもの心と成長に与える影響の大きさを深く理解し、常に「これが本当に子どものためになるのか」という視点から慎重に判断することが、保護者に求められる最も重要な役割です。
バスケの期限付き移籍があることがあるのはなぜ?

「期限付き移籍」(レンタル移籍とも呼ばれます)という言葉は、主にプロスポーツの世界、特に国内ではサッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグなどで頻繁に活用される制度です。この制度の仕組みや目的を理解しておくことは、育成年代とプロのカテゴリーの違いを知る上で非常に役立ちます。
期限付き移籍の最も大きな目的は、選手の出場機会の確保と、それによる成長促進です。例えば、日本代表クラスの選手を多数抱える強豪チームに所属している将来有望な若手選手が、実力はあってもチーム内のポジション争いが激しく、なかなか公式戦に出場する機会を得られない場合があります。そのような選手が、一定期間(半年や1年間など)、他のチームに所属を移して実戦経験を豊富に積むことで、技術的にも精神的にも大きく成長することが期待できます。これが期限付き移籍の最大のメリットです。
期限付き移籍がもたらす「三方良し」のメリット
この制度は、関わる三者それぞれにメリットがあるため、広く活用されています。
- 選手本人:公式戦でのプレータイムを得て、実戦経験と自信を積むことができる。
- 移籍元チーム(保有権を持つチーム):将来の主力選手を、実戦の場で育成することができる。選手の給与の一部を移籍先チームが負担する場合もあり、コスト削減にも繋がる。
- 移籍先チーム(受け入れるチーム):即戦力となる有望な選手を、完全移籍よりも低いコストで一時的に補強できる。
補足:ミニバス(U12)における期限付き移籍の考え方
言うまでもなく、JBAのU12カテゴリーの規程には、プロのような「期限付き移籍」という制度は明確には存在しません。ミニバスの移籍は、あくまで選手の生活環境の変化(転居)や、健全な競技環境の確保(トラブルからの回避)を目的とした恒久的な所属変更が前提です。育成やチーム戦力の調整を目的とした一時的な選手の貸し借りは、その理念とは異なります。
このように、プロの世界における期限付き移籍は、選手のキャリア形成とリーグ全体の戦力均衡に貢献する、非常に合理的で戦略的な制度として機能しています。この考え方は、あくまで子どもの健全な育成を第一とするミニバスの理念とは目的が異なるという点を、明確に理解しておきましょう。
2025年の3ポイントなどミニバスルール改正

ミニバスケットボールのルールは、一度決まったら変わらないものではなく、子どもたちの健全な育成と、競技そのものの楽しさや将来性(U15、U18、トップカテゴリーへの接続)を追求するため、定期的に見直されています。移籍に関するルールと同様に、コート上での競技ルールも時代に合わせて変化していくことを知っておくのは非常に重要です。特に、2025年度からのルール改正は、ミニバスの戦術や練習内容に大きな影響を与える可能性があり、全ての選手・指導者・保護者が注目すべき点が含まれています。
最も大きな変更点は、JBAの公式発表によると、U12カテゴリーにおける3ポイントシュートの全面的な導入です。これまでミニバス(U12)の公式戦には3ポイントラインが存在しませんでしたが、2025年4月1日以降に行われる試合から、新たにスリーポイントラインが設置されることになりました。
【JBA公式】2025年度からの主なルール変更点(U12)
スリーポイントラインの新設:
バスケットの中心から半径5.25mの位置に、U12カテゴリー用のスリーポイントラインが導入されます。これにより、アウトサイドからのシュートの重要性が格段に増し、選手のシュートレンジ拡大や、ディフェンスの範囲が広がるなど、戦術の幅が大きく広がることが予想されます。
ボールのサイズの変更:
現行の5号球から、より低年齢層に適したサイズ・重さのボール(通称5号軽量球)への変更が推奨されます。これにより、シュートフォームの習得やボールハンドリング技術の向上が期待されます。
これらのルール改正は、選手の将来的な成長を見据え、U15カテゴリーや、さらにその先の国際的なバスケットボールへのスムーズな移行(アダプテーション)を目的としています。チームを移籍する際には、移籍先のチームがこうした新しいルール変更に対してどのような指導方針を持っているのか、という点も、これからのチーム選びにおける一つの重要な参考になるかもしれません。(出典:JBA U12カテゴリーにおける2025年度の競技規則について)
総括:ミニバス移籍ペナルティの正しい知識
- ミニバスの移籍自体に公式な罰則や出場停止期間はない
- ペナルティと誤解されがちなのは手続きの遅れや大会規定による出場制限
- JBAが認める移籍理由は主に「転居」と「人間関係のトラブル」
- 「強いチームに行きたい」などの強化目的での移籍は認められない
- 移籍を決める前に親子で十分に話し合い現在のチームで解決できないか検討する
- 円満な移籍のためには元のチームへの感謝と丁寧な説明が不可欠
- 移籍の失敗を防ぐには移籍先の情報を十分に収集することが重要
- 手続きには「U12移籍申請書」の提出が必要で承認まで約2週間かかる
- 移籍申請書には正直かつ具体的な理由を客観的に記述する
- 移籍申請は随時可能だが年度内の登録は2月末が実質的な期限
- JBAの規程では移籍の回数に制限は設けられていない
- ただし安易に移籍を繰り返すことは推奨されない
- プロにある「期限付き移籍」という制度はミニバスにはない
- 2025年度から3ポイントラインが導入されるなど競技ルールも変化する
- 全てのトラブルを避ける鍵は公式ルールを正しく理解し誠実に行動すること
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